身体・運動感覚知能

身体

身体・運動感覚知能とは

手や身体を動かすのが得意な知能です。
身体・運動感覚知能は、ボディーキネスティック知能とも呼ばれ、体を使って表現したり、物を扱ったりする能力に優れています。

運動機能が好感度センサーであるため、運動神経が良かったり、手先が器用だったりする能力です。人と話すときにジェスチャーや、ボディーランゲージをよく使います。

身体・運動感覚知能は、ハワード・ガードナーの多重知能理論における8つの知能の1つで、身体の動きや手先の器用さ、体の感覚を用いて問題を解決したり、製品を創造したりする能力を指します。この知能は、身体を使った学習や実践的な活動において重要な能力です。以下に、身体・運動感覚知能の詳細を説明します。

身体・運動感覚知能の「性質」

運動能力

  • 大きな身体運動:ランニング、ジャンプ、バランスを取るなど、全身を使った運動能力が優れています。
  • 細かい運動:手や指を使った細かい作業や手作業を得意。工芸や楽器演奏などで高い技術を持っています。

空間認識能力

  • 客観的視点:自分の体の位置や動きを空間内で把握する能力が高いです。
  • 肌感覚:スポーツやダンスで、動きや流れを感覚的に理解して実行できます。

身体・運動感覚知能の「実生活での能力」

スポーツと運動

  • アスリート:高い身体・運動感覚知能が求められます。
  • ダンサー:リズム感と身体の柔軟性、精密な動きが重要です。

芸術と創作

  • 俳優:舞台や映画で身体表現を使ってキャラクターを演じる能力。
  • 彫刻家:手や指を使って素材を形作る能力。
  • 演奏者:身体や手、指を使って楽器などを演奏する能力。

向いている職業

夢MAP 身体・運動感覚知能1

アスリート
高い身体能力、バランス感覚、素早い反射神経、持久力が必要です。競技でのパフォーマンス向上には、正確な体の動きと、戦略的思考を伴う運動感覚知能が求められます。

外科医
精密な手術を成功させるために、手先の器用さと細かな動作を正確に行う能力が必要です。加えて、迅速な判断力と体力を持ち、長時間の手術に対応できる持久力も求められます。

職人
大工や陶芸、彫刻など、手作業で製品を作り出す職業。重機や工具を正確に操作するための身体的な能力と、作業現場での持久力が重要です。

理学療法士・作業療法士
患者の身体機能を回復させるために、身体の動きや筋力、柔軟性を評価し、適切な運動プログラムを作成するための高い身体・運動感覚知能が求められます。

ダンサー
ダンサーにはリズム感、表現力、バランス感覚、柔軟性が必要です。身体を使って音楽に合わせた動きを作り出し、感情や物語を体で表現する能力が求められます。また、複雑な振り付けを記憶して再現するための運動記憶も重要です。

俳優・女優
身体を使って感情や物語を表現する能力が求められます。身体・運動感覚知能が高い人は、動作やジェスチャーを通じてキャラクターをリアルに演じ、視覚的なインパクトを与えることができます。また、ダンスやアクションシーンをこなすためのバランスや身体コントロールも重要です。

スタントマン
危険なアクションシーンを安全に演じるために、強い身体能力と反射神経、そしてリスク管理が必要です。

消防士
消防士は、緊急時に迅速かつ適切に行動するための高い身体能力と運動感覚知能が求められます。重い装備を着用しながら火災現場での救助活動や消火作業を行うため、持久力、反射神経、柔軟な対応力が重要です。

整備士・技術者
車両や機械の修理を行う際の精密な手作業が必要で、問題を効率的に解決するための身体感覚知能が役立ちます。

料理人
手先の器用さ、素早い動き、創造的なプレゼンテーション能力が求められ、料理の完成度を高めます。

美容師
お客様の髪を扱うために高い手先の器用さが求められます。カットやスタイリングには精密な動作が必要で、また立ち仕事のため、体力や持久力も重要です。お客様の顔や髪型に応じたデザインセンスも活かされます。

農業・園芸業
土を耕したり作物を収穫するために体力と手先の器用さが求められます。長時間の屋外作業や機械操作が多く、自然の変化に適応する柔軟性や持久力も必要です。

インストラクター
正しいフォームを指導し、参加者の動きをサポートするための運動感覚知能が求められます。高い身体能力や表現力、モチベーションを維持させるコミュニケーション力も重要です。

マッサージセラピスト
手の感覚を使って筋肉の状態を把握し、筋肉の状態を感じ取る感覚と相手が求める適切な力加減で施術を行う能力が重要です。

特殊部隊員
高度な身体能力と迅速な判断力が必要で、危険な任務を遂行するための身体的訓練が必須です。

介護職員
高齢者や障害者を安全に移動させるために体力と持久力が必要です。また、細やかなサポートを行うために手先の器用さや身体的な感覚を活かした優れたケアが求められます。

サーカスパフォーマー
高度なバランス感覚、柔軟性、身体コントロールが必要です。体を使って観客を魅了するための独創的なパフォーマンスや、複雑な動きを安全に実行する技術が求められます。

パイロット
航空機の操縦には、正確な機体操作と迅速な判断力が求められます。身体感覚知能が高い人は、機械を直感的に操作し、長時間のフライトに耐える体力と持久力を備えています。

登山ガイド
山岳地帯での安全なルート選択やリスク管理が必要です。高い体力と持久力で厳しい地形に対応し、顧客をサポートするための身体能力とナビゲーションスキルが求められます。

自衛隊
実戦に備えた訓練は、持久力、射撃、運動力、忍耐力、応用力など様々な高い身体能力と運動感覚知能が求められます。迅速な判断力や反射神経が必要で、厳しい環境下での任務遂行やチームワーク、機器操作、救助活動に対応するための持久力とフィットネスも重要です。

救急隊員
緊急時に患者を迅速かつ安全に処置し搬送するため、高い身体能力、判断力、チームワークが求められる職業です。救命技術や医療機器の操作に関する知識とともに、精神的な強さと冷静さも必要です。

身体・運動感覚知能の発達と育成

スポーツと運動

  • 定期的な運動: ランニング、サイクリング、ヨガなどの運動を定期的に行うことで、身体感覚を養います。
  • スポーツの練習: チームスポーツや個人スポーツの練習を通じて、運動能力を高めます。

芸術活動

  • ダンス: ダンスのレッスンを通じてリズム感と身体表現力を鍛えます。
  • 演劇: 演劇の練習を通じて、身体を使った表現力を高めます。

手先の訓練

  • 楽器の演奏: ピアノやギターなどの楽器を習得することで、手先の器用さを鍛えます。
  • 工芸: 彫刻、陶芸、模型作りなどの活動を通じて、微細運動能力を向上させます。

リラクゼーションと体の意識

  • ヨガや瞑想: ヨガや瞑想を通じて、体の感覚と意識を高めます。
  • ストレッチング: 体の柔軟性を保つためのストレッチングを定期的に行います。
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【身体・運動感覚知能】の勉強法

身体・運動感覚知能の効果的な勉強法は、実験やフィールドワークなど、実際に体を使って学ぶことを好みます。
想像的な鍛練よりも、実践的な経験を反復することで能力として現れます。

動きながら学ぶ

身体を動かすダンスをしたり、リズム感を与えながら学びます。


事例
・縄跳びをしながら英単語や九九を発すると覚えやすい。

想像と現実を紐づけること

・野外で実際に見たり触れたりすることで理解度が高まる。
・実験で体験する

これらの方法を組み合わせることで、身体・運動感覚知能を効果的に高めることができます。体を使って学ぶことを重視し、実践的な経験を積むことが重要です。

まとめ

身体・運動感覚知能は、身体の動きや手先の体の感覚を用いて問題を解決したり、製品を創造したりする能力を発揮します。この知能は、スポーツ、ダンス、演劇、手工芸、医学など多くの分野で重要です。定期的な運動や芸術活動、手先の訓練を通じて、身体・運動感覚知能を発達させることができます。

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